2010年8月11日水曜日

宇宙庭の作り方。

本日は「宇宙庭の作り方」ワークショップが、「宇宙庭」担当の松井紫朗氏(「生存のエシックスプロジェクトチーム」)、京都大学大学院農学研究科・小田龍聖さんのアドバイスのもと、と開催されました。他のワークショップより子どもや主婦の方の参加がみられたのは、"庭"のイメージからでしょうか。

まず、松井氏より"宇宙庭"についての説明。国際宇宙ステーションへ宇宙飛行士が長期滞在することが本格化しつつある中で、人工的で閉鎖的な環境での宇宙飛行士の精神的支えとして"庭"を構想するプロジェクトが始まり、さまざまなプロトタイプを試作し現在に至っていること。(プロジェクトは井上明彦氏、森本幸裕氏と共同研究)
土なしでも植物は生きられるのか?
無重力空間で植物はどのように成長するのか?
搭載重量が制限されている中で、どのような形態で宇宙に庭を持ち込むことができるのか?
バクテリアの発生をどのようにおさえるのか?
試行の段階であがったさまざまな疑問や壁にどのように対応しているかも説明されました。

ポイントは高分子の親水性フィルム。
液体の水は通さないけれど、植物の根がフィルムに活着し一体化するので、そこからフィルムの向こう側の水を吸収することができます。
水をフィルムで包み、その上に種を植え付ける。
そうすることで水を外に漏らさず(=バクテリアが発生したとしても外に漏らさず)植物を育てることができるというわけです。

今回のワークショップでは容器に水を入れ、その上に親水性フィルム、植物を植え付けやすくするための不織布、農業用ビニール(マルチ)を使って自宅で栽培できる方法が伝えられました。作業をするうえでの注意点から、宇宙で暮らすことはどういうことなのかがちょっとずつ伝わってきました。

今回のワークショップで用いた材料は参加者に配られ、自宅でそれぞれ"宇宙庭"栽培を試してもらうことになりました。日照、水、温度、各自異なった環境でどのように育っていくのでしょうか。

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