2010年8月6日金曜日

平安神宮フィールドワーク

8月6日、今日は美術館外へのフィールドワークが行なわれました。
ナビゲーターに京都大学大学院地球環境学堂教授の森本幸裕先生(「宇宙庭」プロジェクト担当、国際シンポジウムPart1参加)、プロジェクトチームから高橋 悟氏、松井紫朗氏が参加。
また、平安神宮では7月20日にも水のゆくえー連鎖する水声ー関連講演会でお話しいただいた禰宜の本多和夫さんも合流。
一般参加者とともになごやかなフィールドワークになりました。


まず、美術館から少し南へ、琵琶湖疎水から分流した白川へ。


ここでは琵琶湖の固有種であるネジレモを観察。琵琶湖から疎水を通して種子や植物そのものが流れ着いて、白川に繁殖しているとのこと。


平安神宮の神苑の池庭も琵琶湖疎水からの水を利用してつくられています。複雑な形状が水量の多い/少ない、流れの速い/遅い、さまざまな水の状態を作り、それぞれの状態に適した生物が棲息しています。


特筆すべきは絶滅危惧種であるイチモンジタナゴが生息していること。
この魚ももともと琵琶湖に生息していたものが、疎水にのって平安神宮へとやってきたそうです。どうして特筆すべきかというと、このタナゴが生息するには卵を産みつける為の大きな二枚貝が必要で、その二枚貝の幼生が寄生するにはヨシノボリなどの小魚も必要で、という風に、タナゴが生息しているということは他の生物の存在の証明でもあり、そこに小さな生態系が築かれているということになるからです。
(写真は平安神宮HP生き物写真館より)


他にも何種類か、もともとは琵琶湖に生息していたものの、ブラックバスやブルーギルなどの外来種が入り込んだことで生態系が崩れ現在では見られなくなった生き物の生息が、ここ平安神宮の池にて確認されています。

この庭の作庭は七代目小川治兵衛によるもの。
形式化した侘び寂びから脱し、環境を強く意識した新しい庭園は高く評価され、東山山麓には彼が手がけた庭園が他にも多数存在するらしいです。

というのが、今日のフィールドワーク。
フィールドワークは8月14日(土)、21(土)にも開催されます。今日とはまた違った視点で岡崎周辺を見ることになると思います。
どうぞご参加ください。

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