2009年12月21日月曜日

回転板実験

次に、二軸回転装置について。


部屋いっぱいの大きな円盤は、名の通り二つの軸を中心に回転するのだが、その二つの軸にとてもわずかなズレを作っているのだという。(詳しい仕組みはよくわからない) そのズレにより、円盤は地面と平行ではなくわずかに傾きながら回転する。 ズレは見た目では分からないほんの微細なものだが、その上で歩くと平衡感覚に少しずつ作用していき、人によっては立っていることすら困難になる。 また、目を閉じる、部屋の電気を消す、指向性スピーカーを用いて一定方向からのみ音を聞かせる、などの状態でも同じことを行う。
人は揺れる船に乗ると船酔いする。しかし、船で何時間も揺られたあとに陸に降りると、今度は陸に酔ってしまう。 人が垂直に立つ、というのはとても当然のようなことであるが、「立つ」という行為にはたくさんの要素が必要なのだ。 どこから音が聞こえてくるか、光は何処から射しているかを感じ、重力を体で受け止め、周囲の建物など垂直に立っているであろうものと自分とが平行であるかを確かめる。 身体感覚だけでなく、視覚・聴覚・記憶などの複数の器官・情報が脳の中で統合されて、やっとまっすぐに立つことができるのだ。
この装置・環境ではそういった自己定位が脳内でどうなされているのかを探っている。

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